短時間睡眠をしようとしている人を止めてみる訳。

 Twitterで短時間睡眠法を実践しようかなーと呟いておられる方がいらっしゃると、睡眠は大事ですよ!と@を飛ばしてしまいます。お節介とは知りつつも、どうして一言送らずにはいられないかと言えば、睡眠を取らない事での弊害は実のところかなり大きいからです。

 常識的な睡眠学に基づいて見ると、睡眠を削って作業に当たっても、必ずしも費やした時間と同じだけの効果は得られません。睡眠不足状態に陥っている脳の判断力は、アルコールを摂取して酩酊した状態と同等である、と言われています。
 また、睡眠不足は自己評価の低下を招きます。自己評価が低いという事は、本来、睡眠を十分に取って事に当たっていれば出来る事柄を、「自分にはそれは出来ない」と評価して回避してしまいます。
 睡眠を削ることは、「頑張って寝ないで働いた!」という充実感を得る事は出来ますが、実際には、その時間に行なった作業の質は低下してしまいます。

 睡眠を取っている間にも、脳は動き続けています。眠りの中で得た情報を整理し、格納するという作業や、あるいは身体機能の調整なども行なわれています。
 睡眠について科学的に解明されている事柄は、まだほんの一部にすぎません。けれどそのほんの一部でさえも、人間が生きるという事の中で重要な役割を担っている事が解っています。

 もちろん、体質的に短時間の睡眠で事足りるというショートスリーパーと呼ばれる方も存在します。
 ただ、それは全体の中でも低い割合です。ショートスリーパーでない人が、努力して短時間睡眠を実践した場合、睡眠障害を引き起こす可能性があります。睡眠障害はいわゆる「こころの病」と大きな因果関係があります。(従来は精神的な病が睡眠障害を引き起こすと考えられていますが、睡眠障害が精神病を引き起こす可能性も無いと言い切れないと考えられます。)また生活習慣病なども、睡眠不足から引き起こされる可能性を指摘されています。

 極端な短時間睡眠法が語られるときには、あまりこうしたリスクについての注意が表記されている事が無いように思います。
 そうしたリスクを知らないままに、睡眠時間を短縮して、その分を有効活用しよう!と思っていただきたくないので、あえて、睡眠は大事ですよ、と申し上げる次第なのです。

 睡眠の役割について詳しくは、
http://www.sasjp.net/column/column.htm
http://www.kaimin.gr.jp/column/sleep/
この辺をご覧くださるとよいかと思います。